ちょっと試験勉強に役立つかもしれない話。
こう見えて私、進学校出身です。具体的には同じクラスから東大京大国立医学部が30人くらいでるくらい。なので周りには、1日5時間とか休みの日には10時間以上勉強する人が結構いました。でも、中にはいるんですよね。
「夏まで部活やってたのに、秋から追い上げてぐんぐん成績良くなるやつ」
私は勉強全振りだったので、こういう「地頭がいいやつ」に追い抜かれて行くのがすごく嫌でした。でも振り返ると、この人たちって上手に無意識のうちに勉強効率が良かったんですね。
今回の主題は、睡眠と勉強効率の関係です。
記憶は眠っている間に定着する、というが最近の知見では主流です。しかも、運動の記憶も寝てる間に定着します。最初は考えながらラケットを振っていたのが、いつの間にか自然とボールを返せるようになるのは、睡眠中に運動記憶を脳が定着させていたからです。なので、受験生はたくさん寝ましょう。睡眠を削って勉強するよりも、たくさん寝たほうが覚えたことが記憶に残るはずです。
ギリギリまで部活動やっていて、夏から追い上げてくる人は、睡眠リズムが整っているので記憶が定着しやすいんです。しかも運動するとよく眠れます。これは、主にアデノシンという疲労物質が溜まるほど寝付きやすくなるからです。つまり、適度に動いてぐっすり眠りつつ勉強をするって方法は、睡眠時間を削って徹夜したり、早朝に起きて勉強するより効率がいいんです。
睡眠時間が足りているかの確認は、授業中にうとうと寝るかどうかが一つの指標です。基本的に10代の間は、寝ようとせずに授業中に寝てしまうことはないはずです（徹夜明け、とかはもちろん別ですよ）。14時から16時ごろにはホルモンの関係で眠くなることはありますが、午後に学校で寝てしまう、のは明らかに睡眠不足です。勉強効率悪いです、夜ぐっすり寝ましょう。
ちなみに私はコーヒーやエナジードリンクを使って勉強するのもあんまり賛成しません。カフェインは眠気覚ましになりますが、疲労物質のアデノシンを一時的にブロックしているだけです。なので、カフェインで解消された疲れは効果が切れたら一気に再燃します。おまけに、効いてくるのは大体30分後で、分解酵素に個人差があるので効き目の予測が難しい。変な時間に飲むと数時間眠りが悪くなることもあります。シャキッと勉強できても疲れを持ち越すだけです。もちろん、勉強のために使うのはお勧めしないだけで、おいしく飲むのは良いとおもます！
そして夜中の時間潰しといえばスマホ。「受験生がスマホをいじるな！寝る前のスマホはよくない！」そんなことはみんな知ってるんです。でも大人だって次の日が仕事なのにスマホいじってますよ、触らない人の方が多分珍しいです。時間を決めてスマホをいじれる人はすごいです、えらい！
私が思うに一番大切なのは、ベッドと机でスマホをいじらないこと、です。人間の脳は、楽しかったこと、安心したこと、成功したこと、を繰り返すように出来ています。専門的な言葉では「条件付け」って言います。寝る場所や勉強する場所でスマホをいじって頭を休めたり楽しい思いをすると、そこはスマホをいじる場所と脳に刻み込まれてしまうんです。運動場にきたら自然と気分が高揚したり、お寺に行ったら何かリラックスできるのと同じ原理です。図書館や塾で勉強する人も、最初は落ち着かなくても徐々に図書館に来るだけでスイッチが入りますよね。スマホ習慣が勉強と睡眠に干渉しないように、スマホはベッドと机の上以外で使えたら、お勉強はもっとはかどります。
スマホに関してもう一つ、それは「ブルーライトカットのフィルムをつけること」青色の光は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を低下させてます。なので、自然な眠りに落ちにくくなる可能性が高いです。寝る前の部屋は真っ暗か暖色系のライトに、そして朝一番に日光を浴びると、睡眠リズムが整って、夜のスマホのいじりの影響を減らせるはずです。もちろん勉強効率もUP！ただ、夜間は日中の活力に関係する成長ホルモンも出るので、早寝に越したことはありません。22時以降はスマホはいじらないことをお勧めします。
細かい話をすると、お風呂は睡眠の3時間くらい前に入るほうが良いとか、深夜食を習慣化しないほうが良いとか色々あるんですが、多分10代の受験生には関係ないです。そんな細かいこと気にするくらいなら勉強時間に当てたほうがいいです。
このページを最後まで読んでくれた人は、きっと試験勉強のモチベーションが高い人です。なので、ちゃんと努力が身を結んで合格すると思います。お祈りしています、頑張ってくださいね。
